実践カジュアル面談

年の瀬にもなりましたので、最近自分がやっているカジュアル面談について気をつけていることなどを振り返ってまとめようと思います。
この1 ~ 2年でほとんどの面談はオンライン化し、よりカジュアルに面談が組めるようになったり、Meetyなどのツールを使っての設定もできるようになったので、ますます面談に力を入れていきたいと思っています。

前置き

私が日々行っているカジュアル面談は、採用における面接とは異なり、面談する方と情報交換を行い、お互いのことや会社、プロダクトのことを知ってもらう場として設けています。

もちろんカジュアル面談のゴールとしては、選考に進んでもらい、採用につなげることを目的にしていますが、会社やプロダクト、使っている技術などを知ってもらえる良い機会だとも思っており、広報的な側面も視野に入れて臨んでいます。

面談の設定

カジュアル面談が実施されるトリガーは下記のようにいくつか存在すると思います、私の場合は平均して週2 ~ 3回ペースで実施することが多いです。

  • 直応募
  • 採用媒体やSNSを介した能動的なスカウト
  • リファラル経由での紹介
  • Meety などの面談サイトからのマッチング

日程調整は割と候補者の方とのキャッチボールが多くなったり、予定の確認などで日程確定まで間が空いてしまったりするので、自分はCalendyで予定を作って好きな日程を候補者の方に予約してもらうスタイルにしています。

calendly.com

スカウトを送る際に気をつけていること

自分がスカウトを送ることもよくあり、その際は候補者の方の技術スタックや過去のご経歴、転職意欲の濃淡などを目安に送るようにしています。

特に SNSGithub、登壇資料や個人ブログなどがセットで情報として確認できる方は非常にありがたく、後の準備編にもつながるのですが、採用媒体の情報に加えてそれらの情報をできる限り読み込んでスカウトを送るようにしています。

というのも、スカウトを送る際はどういうコンテキストで候補者の方にメッセージを送るかが非常に大事になってくるので、できるだけ情報を集めて送らせていただく理由を考えるために時間をかけています。

また、基本的には面談を行う本人がスカウトを送って面談に臨むのが良いです。 たまにCTOや技術責任者名義で別の人がスカウトを送っているというような例も聞きますし、実際に私も既に面識のある方からこういったスカウトをもらって非常にガッカリした経験があります。

相手にも失礼ですし、別の人が送っていると分かった場合の心象はあまり良くないでしょう、採用媒体の仕様で自分が送れない場合は、素直に代理で送ってもらってることを伝える方が良いと思います。

面談の準備

オンラインで初対面の方と一対一で話すというのはお互い緊張するのではないでしょうか、 私はうまく会話が続かない、対話として成立しない、沈黙が続くなどBadな面談にならないように相手の方の情報を事前に調べてメモしておき、面接の15分前にはそのメモを見返したり、話すイメージを付けたりしています。

メモは冒頭にアイスブレイク的に話すネタにしていることも多いですが、できるだけ対話が弾むように準備は大切です。

  • ご経歴を見て、所属されている会社と自分の接点があればその話をする
    • 開催されていた勉強会やイベントに参加した話
    • 所属先に勤めている共通の友人 / 知人の話
  • 直近の登壇やBlogなどを書かれていたら、それを見て感じた感想
  • 前述のスカウトを送った背景の説明

また、面談時に使える事業紹介やカルチャーデック的な資料を作成して、面談時に使えると良いと思います。私は会社と事業の紹介用の資料を用意して面談時に使うようにしています。

会社のHPなどに載っているものは候補者の方も事前に調べてくれていることが多いので、自社が大切にしているユーザーの課題を如何にして捉えて事業開発を行っているか、今度どういう成長を狙って開発をしているかなど生の情報が伝わるような内容を中心に資料を用意しています。

実践

時間が30分の時もあれば、60分の時もありますが、概ね以下のような構成で話すようにしています。

  • 自己紹介 & アイスブレイク
  • 面談の趣旨や自分が今日話そうと思っている内容の説明
  • ヒアリング
    • カジュアル面談で知りたいと思っている内容の確認
    • 候補者の方の転職動向 & 意欲の確認
  • 会社とプロダクトの紹介
  • 質疑応答
  • クロージング、次アクションの確認

私は話し始める前に、可能であれば簡単にヒアリングさせていただき、転職活動中であればどういうキャリアを考えられているか、どういう軸で企業選びをされているかをお伺いするようにしています。時間が限られているので、お伺いした内容を元に、会社やプロダクトの紹介をする際にチューニングをして、少しでも候補者の方の聞きたい話ができるようにしたいからです。

上述の事前資料にそって予め話す内容は固定化していますが、ヒアリングができていれば、資料に加えて下記のように話す内容を追加するイメージです。

  • 事業やプロダクト / Fintech に興味がある
    • → プロダクトを作った背景やユーザーが抱えている課題を中心に話す
  • 技術的な所に興味がある / チャレンジがしたい
    • → Fintechならではの技術的課題や面白さを話す
  • ポジションや業務内容に興味がある
    • → 実際のメンバーが行っている業務や、開発の流れを話す

面談時に気をつけていること

実際にお話する中で、明らかにミスマッチが起きそうな部分はあらかじめ正直にお伝えしています。

例えば、直近でEMのキャリアをバリバリ伸ばしたいという方が来られても、開発者が数人のスタートアップでは実務としてそういった業務が少ないことを伝えていますし、大企業やメガベンチャーにお勤めの場合は、会社としての福利厚生や制度設計などは設計 / リリース過程にあり、未整備な点があることなど、良い面ばかりでなく、正直にお話しミスマッチがないようにしています。

後は、細かいTipsですが、基本オンライン画面越し会話になると思うので、できるだけこちらのリアクションが伝わるように、大きく頷く / 相槌を打つ / 笑顔 などを心かげています。

面談のクロージング

カジュアル面談のクロージングは、ともするとフワッと終わってしまいがちですが、折角なので候補者の方との関係を面談で終わりにしないというのが大切かなと思います。

  • 候補者の方が転職活動中で、面談も良い形で進んだ場合
    • → 選考のご提案
  • 転職活動のフェーズが情報収集段階の場合
    • → 実際に積極的に動かれる時期を聞いて、そのあたりにまた、連絡して良ければさせてもらう
  • カジュアル面談以上に踏み込んで情報が聞いてみたい場合
    • → 現場のメンバーや、他の創業者との面談を追加で設定
  • 今回の情報交換で十分な場合
    • → よければSNSなどで繋がらせてもらい、定期的に情報交換させてもらう

私は、面談の最後に候補者の方に感想を聞くと同時に、次にどういったアクションを取るかを確認させていただいています。 あまり押し付けがましくならず、候補者の方の意思を尊重して提案できると良いですね。

面談終了後

他の面接でも同様ですが、面談が終わった1時間以内に、議事録を簡単でもいいのでまとめて残すようにしています。 今は採用に結びつかなくても、候補者の方が数ヶ月後に連絡をくださることもあるので、当時のログとして見返す時に役立ちます。

人間は忘れやすい生き物なので、面談が終わるとホッとして何もしたくなくなりますが、強い気持ちで議事録を残すことをお薦めします。

まとめ

以前は冒頭から会社紹介などをしていたのですが、こちらの話すターンが多く、できるだけ会話の中で自然に情報交換できればと思い今のスタイルに落ち着きました。

改めて読み返すと割と当たり前のことを書いてしまった気がしますが、カジュアル面談は候補者の方との一番最初の接点になるので、個人的にとても気合を入れて臨んでいます。

まだまだ改善できるところはあると思いますし、会社やプロダクトも成長していくので、それに合わせて候補者の方に伝える情報をアップデートし、より良い面談ができるように精進していきたいと思っています。

カジュアル面談は常に募集しておりますので、お気軽にご連絡くださいね!

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